Blog
ブログ
「集客に特化したテンプレートでホームページを作りませんか?」に安易に乗らないで!
2024年最後のブログは、今年あった悲しい出来事に絡めてホームページ制作業界の悪習について解説しようかと思います。
今年は、ROUND SQUAREとしてとても悲しい出来事が一つありました。
ROUND SQUAREを立ち上げてから約5年、初めてクライアント様が他の制作業者に乗り換えてしまいました。
ROUND SQUAREでは、ご依頼いただいた案件一つ一つを大切に妥協なく制作しており、クオリティに自信があるだけでなく、クライアント様にもご満足いただけていると自負しております。
また、お打ち合わせなどをしっかりと重ねながら進めることでクライアント様がホームページに愛着を持っていただけるため、完成後に手放そうと考える方は基本的にはおられません。
他の制作業者と違い、完成後の管理費なども一切頂戴していないのでなおさらです。
さらにショックだったのが、そのクライアント様が大好きなクライアント様だったことです。
物腰が柔らかくとても優しいクライアント様で、ご自身の事業に対してとても真剣であり、ホームページの重要性も人一倍理解していただけていました。
いつの日かROUND SQUAREに戻ってきていただけることを切に願っています。
目次
なぜ他の制作業者に乗り換えてしまったのか
そのクライアント様は「集客」のことを真剣に考えておられ、以前にSEO対策のご相談をお受けしたものの、価格面で折り合えずに話が流れてしまったことがありました。
ホームページを活用したWEB集客の真骨頂は紛れもなくSEO対策ですが、SEO対策は難易度が非常に高いうえに多大な労力を要する集客施策のため、安価にサポートはできません。
仮に安価に受けたとしても中途半端なサポートしかできず、中途半端なサポートではSEO対策は絶対に成果を出すことはできません。
そのような事実を隠して50万円や100万円といった金額でSEO対策を受注し、何の成果も出さずにサクッとトンドラする悪徳SEO業者が横行しているので、SEO対策を外注する際は本当に本当に本当に注意が必要です。
そういったこともあり、より高い集客力を求めて「集客に特化したテンプレート」で作るホームページ制作会社に乗り換えてしまいました。
テンプレートで作るホームページとは
ホームページにおけるテンプレートとは、ホームページを構築(制作)するための雛形のようなものです。
コンテンツのレイアウトやデザインがすでに決まっており、テーマカラー・画像・文章などを当てはめるだけで完成します。
ホームページの構築方法は大きく3種類あり、制作業者によってどの構築方法を採用しているかは異なります。
- ◾️プログラミングで構築を行うフルスクラッチ制作
- ◾️ドラッグ&ドロップで作成可能なサービスを利用して作成するノーコード制作
- ◾️雛形に画像や文章を挿入して作成するテンプレート制作
この3つの構築方法の中で最も手間がかかるのがフルスクラッチ制作であり、最も手間がかからないのがテンプレート制作です。
テンプレート制作のメリットは、プログラミングの知識や作業が一切不要のため、誰でも簡単にホームページを作ることが可能な点です。
デメリットは、コンテンツ設計やデザイン面でのクオリティが低くなってしまう点と、その他のテンプレートで制作している事業者などと同じようなホームページになってしまう点です。
制作業者はテンプレート制作で簡単に売上をあげたい
我々ホームページ制作業者側の都合で言うと、テンプレートでサクッと作成・納品をしてしまいたいものですし、さらに言うと、そのような案件を高額で受注したいものです。
そうすることで、簡単かつ楽に高い売上げを上げることができます。
ホームページ制作のような手間だけのサービス事業は、いかに高額で受注し簡単かつ楽に納品をするかが売上の大小に影響します。
原理原則で言うと、立派なオフィスを構えたり、従業員に高い給料を支払っているような運営コストがたくさん発生している企業ほど効率良く利益を出さなければいけないのは言うまでもありません。
なので、これはどの業界にも言えることかもしれませんが、立派な会社だから安心だと思い込まないようにすることも大切です。
※ROUND SQUAREはこのような考えは一切なく、一つ一つ大切にフルスクラッチ制作でお作りしております。
集客に特化したテンプレートで作ったからといって集客ができている事業者様を1社も知らない
もう一点、クライアント様が他社に乗り換えてしまってショックだったのがこの点です。
個人的には、「集客ができるテンプレート」は単なる集客(ホームページ制作案件獲得)のための謳い文句であり、そのようなテンプレートは存在しないと思っています。
実際に「集客ができるテンプレート」や「集客専用テンプレート」と謳うテンプレートで作ってくれる制作業者に依頼したが、全く集客できていないという事業者様を何社も知っていますし、逆に集客できているいう事業者様とは一社も出会っていません。
それはたまたまかもしれませんが、たまたまだとしても確率が低すぎると思いますし、集客ができると信じて依頼した事業者様を裏切るような低い確率だと感じております。
ユーザーの心を鷲掴みにする悪魔のフレーズ「集客特化」「集客専用」
ホームページ制作業者側の都合としては、効率良く利益を出すためにテンプレート制作案件を高額で受注したいとお伝えしました。
では、テンプレート制作を高額で売るためにはどうすれば良いか。
それは、事業者様の心を鷲掴みにするフレーズを用いて営業・宣伝をすることです。
事業者様がホームページを作る目的には「集客」「企業のイメージアップ」「名刺・パンフレット代わり」などがありますが、それらの中で最も目的意識が強いのが「集客」です。
つまり、「ホームページを作って集客をしたい」と思っている事業者様は多く、その気持ちは非常に強いのです。
そのような事業者様の心を鷲掴みにするのが「集客に特化したテンプレート」や「集客専用のテンプレート」といったフレーズです。
集客が課題の事業者様にとって、このようなフレーズ(謳い文句)を一度見てしまうと気になって仕方がなくなってしまいますし、この業者に依頼しないと後から後悔しそうな気がしてきてしまいます。
つまり、集客をしたいと思っている事業者様には、「集客ができる」と期待をさせることで、どんなホームページ制作サービスでも高額で売ることができるのです。
結局集客ができないのはたんなるテンプレートだから
大前提として、集客に特化したテンプレートでホームページを作っても集客ができない理由は、それが集客に特化したテンプレートではないからであることがほとんどです。
これまでに、「集客に特化したテンプレート」や「集客専用テンプレート」とやらで作られたホームページをいくつも見てきましたが、到底集客に強いホームページとは言えないものばかりでした。
むしろ、
- ◾️文章ばかりで見にくい
- ◾️いろいろなカラーを使用してデザイン性もヘッタクリもない
- ◾️知りたい情報がどこに掲載されているか分かりにくい
- ◾️コンテンツ(情報)を見たいのに申し込みボタンが何度も何度も割り込んでくる
などなど、ダメなポイントを挙げ出すとキリがないほど非常に低クオリティなホームページばかりでした。
さまざまなブログ記事で何度もお伝えしていますが、ホームページで集客をするというのは非常に難しく大変なことです。難易度も高いですし、多大な労力も要します。
ホームページで集客を成功させるには、
- ◾️業界特性
- ◾️ターゲット顧客
- ◾️競合他者
- ◾️地域性
などのマーケティング要素から、
- ◾️コンテンツ設計の差別化
- ◾️デザインのオリジナル性
- ◾️構築方法
などのホームページの作り方まで、さまざまな要素に注力しなければいけません。
WEB集客においても根本はリアルと変わらず、事業内容・ターゲットユーザー特性・地域性、競合性などによって施策は変わり、これらを踏まえたうえで、
- ◾️どんなコンテンツ設計にするのか
- ◾️どんなデザインにするのか
などを検討する必要があります。
そのため、不特定多数の事業者様に当てはまる集客ができるテンプレートというのは存在し得ず、それはたんなるテンプレートにすぎないと思っております。
完璧なホームページを作るだけでは集客はできない
必ず認識しておいていただきのが、ホームページが完成しても、日本中のほとんどの人は貴社のホームページの存在を知らないということです。
例えば、本当に優秀な制作会社に超高額な制作費を支払ってハイクオリティなホームページが完成したとして、それで満足してしまっては永遠に集客はできません。
次のステップとして、ターゲットユーザー(見込み客)にそのハイクオリティなホームページを見てもらわなければいけないため、そのための施策を行わなければいけません。
その施策がSEO対策であったりSNS運用であったりするわけですが、これはホームページ制作とは全く異なる別の専門知識となるため、できないホームページ制作会社も多いです。
ホームページでの集客はそれほど難しく大変なものであり、このテンプレートでホームページを作ったら集客ができますといったような簡単なことでは決してないのです。
最後に
ダラダラと文字ばかりのメッセージとなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
これ以上、ROUND SQUAREの大切なクライアント様が甘い言葉に流されてしまわないことを切に願っております。
ホームページ制作もSEO対策も「うちに任せてもらえれば集客できますよ」という言葉に安易に乗らないでください。
悩んでいる事業者様は、話に乗ってしまう前にぜひ一度ご相談いただき、その後に判断していただければと思います。
WEB制作業者選定コンサルみたいなサービスでも始めようかなと思う2024年の年の瀬でした!
記事一覧に戻る